大流行のノロウィルスが食中毒だって知っていた?予防法は?
下痢や嘔吐といった症状を訴える患者さんが多く、例年を上回る勢いで流行しています。
新聞の紙面にも、ノロウイルス被害拡大という文字。
この冬の季節に流行る感染性胃腸炎は、今年ももうすでに、21都道府県で警戒レベルを超えているとのこと。
感染性胃腸炎は「細菌」や「ウイルス」が原因なのですが、よく耳にするノロウイルスとは、実は食中毒の一つだったのですよ~~。
食中毒って、夏場の湿度の高い頃に多いのでは?と思いませんか。
いえいえ、汚染した食品を介して感染する、冬の食中毒は毎年大流行しているのです。
本日は、冬の食中毒「ノロウィルス」について、書いてみようと思います。
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ノロウイルスが食中毒ってほんと?
風邪をはじめ、流行するインフルエンザなど、それだけが冬の感染症ではありません。
原因であるウイルスや細菌には、さまざまな種類があり、インフルエンザウイルス・ロタウイルス・RSウイルス、肺炎などもあります。
その中でも、毎年11月から翌年2月頃まで流行するノロウイルスは、年間の食中毒の患者さんの中で、最も多いウイルスによる感染症です。
今現在12月、もし、下痢や嘔吐、発熱・吐き気などの症状がある方は、ひょっとしたらノロウィルスによる症状かもしれません。
食中毒というからには、感染源となる食品があるはずです。
この時期考えられるのは、加熱が不十分な二枚貝や生野菜など。
食中毒とは、Wikipediaにも書かれている通り、
食中毒(しょくちゅうどく)とは、有害・有毒な微生物や化学物質等毒素を含む飲食物を人が口から摂取した結果として起こる下痢や嘔吐や発熱などの疾病(中毒)の総称である
と定義されています。
①細菌性食中毒
◎感染侵入型
・サルモネラ菌、腸炎ビブリオ、病原性大腸菌など
◎感染毒素型(生体内毒素型)
・腸管出血性大腸菌O-157、ウェルシュ菌、セレウス菌など
◎毒素型(食品内毒素型)
・黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌など
②ウイルス性食中毒
◎ノロウィルス
③自然毒による食中毒
◎植物性自然毒
・毒きのこ、じゃがいもの芽、青梅など
◎動物性自然毒
・ふぐ。毒カマスなど
④化学性物質による食中毒
◎化学物質が食品中へ不適正混入
・農薬・重金属など
◎環境汚染物質が食品を汚染
・有機水銀、PCB、カドミウムなど
⑤アレルギー様食中毒
◎ヒスタミンなど
この5つの中で、冬季に発生する食中毒のほとんどが、ノロウイルスだといわれています。
6~9月の夏場に多い食中毒は、よく耳にするサルモネラ菌やO-157など、細菌によるもの。
ウイルスによって発生する食中毒は、食品中では増殖せず、人の腸管内で増える食中毒です。
食中毒ってうつるの?汚染した食品を食べた人だけだよね?
乳幼児から成人まで、あらゆる世代で感染して、家族感染や集団感染することも多くあるノロウイルス。
ノロウイルスは、感染性がものすごく高いんですよね~~。
しかも、熱や乾燥・酸にも強いから厄介なウイルス。
今シーズンは、国立感染症研究所が「ウイルスの遺伝子変異が、感染拡大を引き起こしている可能性がある」と指摘するほど、大流行中。
本来、汚染した食品を食べたことによっておこるものが、食中毒『経口感染』です。
その中で、原因が「細菌」や「ウイルス」なら、人から人へ感染してしまう【感染性胃腸炎】となるわけ。
では、ノロウイルスには、どのようにして感染してしまうのでしょうか。
便や吐物に接触した(ウイルスが付着した)手で、口に触れることによる『接触感染』があります。
下痢便や吐物の処理や嘔吐した人の間近にいたことによる『飛沫感染』
吐しゃ物や便などの処理がうまく行われていなくて残存していると、乾燥して起こる『塵埃(じんあい)感染』
『空気感染』ですね~。
汚染された食品を食べてしまった!というよりも、便や吐物による感染の方が、きっと多いのでしょうね。
何度も言いますが、感染力がものすごいですから。
ノロウィルスは、感染すると24~48時間の潜伏期間を経て、嘔吐・下痢・腹痛・発熱などの症状が出てきます。
ノロウイルスにかかっちゃったら?予防法はないの?
下痢や嘔吐・腹痛などの症状が出てきたからといって、これ、すべてノロウイルスだとは限りません。
インフルエンザウイルスにかかったかどうかを調べる時と同じように、検査をしなければ確定診断ではないのです。
一般的には、感染性胃腸炎となります。
うちの先生も、ノロウイルスによる感染かどうかを調べる検査、あまりされませんね。
なぜなら、下痢による脱水で重症化することもありますが、普通はほぼ軽症で、2~3日で治まってくるからです。
もう一つ、ノロウイルス検査は、3~65歳の方には保険が効きません。
食品関係や介護の仕事をされている方や希望される人など、実費ですることはありますが。
たとえ、ノロウイルス感染だと分かったとしても、インフルエンザのように特効薬はなく、対症療法でしかないのです。
脱水症状を起こさないように、経口補水液や輸液で対策。
うちの先生は「OS-1」という経口補水液をすすめておられます。
ドラッグストアでも売っていますよ~。
今のところ、抗ウイルス薬やワクチンもないのが現状です。
予防としては、月並みですが、手洗い・うがいというしかありません。
何よりも、吐しゃ物や便の処理をする際には気をつけましょう。
できれば、マスクやゴム手袋・ゴーグルなども使用して、うつらないようにして下さい。
消毒には「次亜塩素酸ナトリウム液」を使用すると良いでしょう。
家庭にある塩素系の漂白剤ですね。
処理で使ったタオルや雑巾なども、ゴミ袋などに入れて捨てて下さい。
感染性胃腸炎やインフルエンザの予防に、手洗い・うがいはきっちりしていきましょう。